あ〜ちゃんロキノン騒動の背後に見えるPerfumeファンの心理

宇多丸さんも言ってたけど7月に出るアルバム聴けばどうでもよくなるでしょう。23日に『NIGHT FLIGHT』配信されたからレコ直とかでダウンロードしてみてね!)

1ヶ月くらい前に書いたPerfumeエントリの返事を書こうと思ってたらここ数週間、Perfumeの周辺が異様な盛り上がりを見せていてそれどころじゃなくなったwしかも動き速すぎ。
前回の返事も兼ねてのっち、かしゆかフライデーとあ〜ちゃんロキノンインタビューの件について。特に後者。

あ〜ちゃんの話題の方が注目された?

今回、興味深かったのは、のっちとかしゆかのフライデーに続いて話題となったあ〜ちゃんロッキングオンでのインタビューの方が異常なほど大きく注目されたことだ。ネット上だとフライデーより話題性を獲得したように思う。

Perfume関連のエントリで800users超えとか初めてな気がする…。

このエントリがそれだけ話題を獲得した理由は思うに3つ。

  1. タイミング(のっち、かしゆかフライデーの直後)
  2. 分かり易い物語(アイドルとアーティストの狭間で揺れるあ〜ちゃん
  3. ツッコミ易さ(「ロキノンとか真に受けんなよww」みたいな)

ブクマとか反応見ても、分かり易い物語に共感する人と、それに反発、または嘲笑する人に分かれている。しかしまぁそれだけでこんな話題になるとも考えにくい。

あ〜ちゃんが実際にどう考えているかという真実(それも重要なことだが)はひとまず置いとくとして、いずれにせよファンやその周辺がこの記事に多大な関心を寄せたことは事実と言える。

僕は今回の騒動の背後にはPerfumeが現在「物語不在の混沌」状態にあるからではないかと感じた。どういうことか、長々と書いてみる。

過去の物語

1ヶ月前、僕はPerfumeのブレイクに「物語」という要素が一定の役割を果たしているのではないかということを述べた。hypeさんからは非常にありがたい批判を頂き、上の記事の書き手でもあるid:aerodynamikさんには僕の記事内容に対する応答とおぼしき素敵な代々木のライブレポがあったりと思った以上の反応があって驚いた。ありがとうございます。

1ヶ月前の記事では「ブレイクの条件、それは物語だ」という断定調で書いたためか疑問や反発が少なからずあった。しかし過去のある時点において「Perfumeの成功物語」のような共有しやすい物語がファンたちと、そしてPerfumeの3人たちとの間にあって、無視できない役割を果たしたと考えることはそう間違いではないと考える。

ただ、それはあくまで過去の話であって、これからのPerfumeがどうするのかはまた別である。僕のあの記事が一部の熱心なファンを苛立たせたのは代々木ライブを超えた現在にあって、これからのPerfumeの話ではなく、もう捨て去られるべき過去のPerfumeの物語のことを今持ち出していたからだろう。hypeさんの語る「物語の先」、代々木ライブで白いPerfumeが見せた「ディスコ」の可能性を私たちは知りたいのだ。

「物語不在」

「武道館、紅白」という過去の物語のゴールをクリアした今、Perfumeの次のゴールが見えない(あるいはそもそも次のゴールが必要なのかどうか分からなくなっている?)ファンが多くいるように感じている。ファンの大半は「物語の先」が見えてないのではないか?
そこにのっち、かしゆかフライデーだ。宇多丸氏のラジオに投稿したファンが語っていたように、あのニュースを聞いて不覚にもファンとしてのアイデンティティが揺らぎかけた人もいると聞く。
さらにそこにあ〜ちゃんの記事が畳み掛けた。あの記事に賛否両論の多くの反響があったのは、そういう「物語不在」の中での不安の高まりが背後にあるように見えた。

Perfumeの3人のヴィジョン

武道館までのPerfumeはいわば高度経済成長の日本に喩えられるかもしれない。Perfumeの3人もファンも目標が共有しやすかった。とにかくがんばればよかった。

しかし、これからは3人がどういう未来のヴィジョンを持っているのかが重要な要素となるだろう。*1

それを知りたければ彼女たちの声に耳を傾けることだ。

ブログを見れば分かるようにid:aerodynamikさんはそうした彼女たちの声に耳を傾け、記録してきた人物の一人だ。彼のブログのサイドバーにまとめられた多くのPerfume記事を見て欲しい。

できれば彼女たちの声を聴くのが一番いいだろう。
あるブログで指摘があったようにあ〜ちゃんは文字を介したコミュニケーションの不自由さと不可能性をうまく言い当てていた

では早速あ〜ちゃんの声を聴いてみよう。本当はライブに行くのがベストだが、ここはインターネットの力を最大限に利用しよう。これまでもそうだったように。



あるいは彼女たちの新曲に耳を傾けよう。



宇多丸氏も言ってたように今回のフライデーの件、そしてあ〜ちゃんの一件は「そもそも自分はなんでPerfumeが好きになったのか」ということとファンが向き合ういい機会になったのではないか。
その答えはファンがそれぞれ見つけていくことだろう。
そしてアルバムが発売した頃には今回の騒動のことはどうでもよくなるはずだ。


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おまけ。ちょっぴり切ないw


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