「結びつけ」の応用問題 -『つなげる力』藤原和博

学校と塾のコラボを実現させた「夜スペ」なる補講授業などで世間を賑わせた和田中の校長、藤原和博の新刊。

つなげる力

つなげる力

帰りの電車に乗る前に買ってまだ半分しか読んでないが、ちょうど今日読み終わったベイトソンの『精神と自然』に書いてあった「2つの情報の結びつきによるボーナス特典」の教育、地域社会、経営などへの応用になってて面白かった。

例えば「学校」と「塾」なんてのは「水」と「油」のように相容れないもののように思われがちだが、藤原校長はそれらを「つなげる」ことによって新しい価値を産み出せることを実際に示してしまった。学校教育の可能性を押し広げた偉業だ。

『精神と自然』だとまだ抽象的でつかみどころが無かったのが、この本で一気に具体的な応用方法まで見えてきた。
藤原校長の言う、これからの時代に必要な学力である「情報編集力」とは、こうした情報を「つなげ」「結びつけ」「重ね合わせ」ることで新しい情報と価値、そして「納得解」を産み出す力のことだ。
「正解」にできるだけ速く解答するような古い学力、「情報処理力」はこれからさらに後景に退いていくだろう。

教育関係者、親、学生に限らず、こちらも多くの人に読んでほしい本。

*関連

民間出身の校長が公立中学校を立て直した話です。以前から存在したままで誰も手をつけられなかった問題を正しく認識し、近くにあるリソース(人的資源)をお互いにメリットがある形(Win-Win)で結びつけることにより、問題解決に結びつけたリーダーシップがこの話の本質だと思いました。このような行動には、スペシャリストではなくジェネラリストが適任だと考えさせられました。

つなげる力 読了 - fuzzy Weblog@hatena (更新終了)