物語とメッセージ、誤配の創造性
今日はバイトでした。近所の本屋です。
今週は西尾維新の新刊が売れてたみたい。
一度に発注できないから社員が毎日地道に発注してるらしい。
あと今日はなぜか『先生のお時間』を買ってく20代男性が2、3人いた。
けっこう前に流行ったやつな気がするけど…なんかあったのかな。
『夢をかなえるゾウ』はいつまで売れ続けるのか…。この前立ち読みしたけど確かにいい本、よくできてる。けど、後の方だけ読めば十分なような気がする。新書サイズでもできるはず。まぁ最初から読んでこそのあの「最後の課題」なんだろうけどね。
『ゾウ』を立ち読みしながら、物語を使うとメッセージの伝わり具合がぐんと上がることに改めて気づく。最近、東浩紀が小説書いたり、石井裕之が物語形式の本出したりしてるのも、やっぱ物語じゃない方法で伝えようとしてもうまく伝えきれないもどかしさがあったからなんだと思う。
そういえば僕らは子供のときも絵本とか昔話を通じて「感謝の気持ちを大切にする」とか「欲張り過ぎない」とかそういうメッセージを受け取っていた気がする。(最近では「水の結晶」でそういうことを学んだりする子供もいるそうだが(笑))
たぶんメッセージを伝える形式によって、伝わる強度と精度が変わるのだろう。
音楽、絵、歌、詩、マンガ、物語、小説、批評、etc…
そういえば昨日、久々にホフマイヤーの『生命記号論』ぱらぱら見てたらやっぱ面白かった。読むたびに発見がある、自分も少しは成長してることに気づけてうれしい。
分子生物学の教授で、この人は「生命はメッセージである」みたいなことをパースの記号論使って示しているんだけど、昨日読んでて面白かったところを最後に引用。
「失敗をしてしまう傾向は、この世界におけるすべての発展の根拠に横たわる。もしDNA分子にエラーが生じなければ、生物はアメーバ以上に進化しなかっただろう。…
人間が想像できる全ての世界の中でたった一つだけが現実となり、他の世界は全て間違いとなる、
想像力とは間違いを創造的に活用することに他ならない。」―ジェスパー・ホフマイヤー『生命記号論』 p231
再び読んでて「誤配」の概念を思い出しました、東浩紀の『存在論的、郵便的』の。
「誤配」の創造性について考えてみるのも面白いかも。
- 作者: ジェスパーホフマイヤー,Jesper Hoffmeyer,松野孝一郎,高原美規
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