「野菜系/焼肉系女子」試論・補記/アマゾン関連商品をながめる楽しみと、のぞくうしろメタファー(○Cみうらじゅん)

■おとといの日記の「野菜系女子」試論が久々にえらい反応でこっちはぶったまげてるわけで、急いでエントリに余計な蛇足を追加しながら、ネットを彷徨いながら色々と勉強させていただいているのだが(おれが何でも知ってるわけないだろっw)。

■まず「当事者以外からのレッテル付け」と言われてしまっていることはまさにそのとおりで、そういうことに不快感を覚える方がいらっしゃることもわかります。申し訳ありません。
しかしです、私たちは単にレッテル付けやカテゴライズを楽しんでるわけではありません。むしろそんなレッテルそのものをはねのけてしまい、カテゴリーの間をするりとすり抜けてしまうような「女性」のチカラに魅力を感じずにいられないのです。私の付けたレッテルなんか吹き飛ばして欲しいんです。

こんなリクツっぽく書くと、またきもちわるがられるかもしれませんが、ここはまずとりあえずお許しを。


Zipper (ジッパー) 2007年 09月号 [雑誌]■とつぜんですが、ジャック・ラカンというフランスの精神分析家はこの「レッテルそのものをはねのけてしまい、カテゴリーの間をするりとすり抜けてしまうような「女性」のチカラ」に参ってしまい、女性は語り尽くせないことを悟り、「女性は存在しないんだってばよっ!」*1とまで言ってしまいました。ラカンさんはぶっちゃけすぎですねw
しかしラカンという方はそのプロフィール「keyword:ジャック・ラカン」を見ればわかりますが、20世紀の時代のものの考え方に重要な影響を与えた超ウルトラスーパー頭がいい精神分析家です。
そんな彼にまで「女性は存在しない」とまで言わしめた「女性」のチカラ、存在には神秘性すら感じます。


■余談ですが「Zipper」という名の、今月はどうやら宮崎あおいが表紙の、女性ファッション誌がありますが、まさにこの名は「存在しない女性」の謎を感じさせるタイトルに思えます。

Zipper (ジッパー) 2007年 08月号 [雑誌]先月は右のように、しょこたんこと中川翔子が表紙を飾ったようですが、ぼくは「しょこたん」に関してはこうした「レッテル付けをはねのける」ある種の過剰さを感じます。ものすげー絵が上手かったり、突然ジョジョ立ちを始めたりするオタクとしての彼女から、あるいは新ブログの女王として日に何度もしょこたんブログを更新する彼女まで、私たちはしょこたんから目をそらさずにはいられません。

はい、自分でも少しきもちわるくなってきたのでここらへんにしときましょうw
以上、反省文として書き置かせていただきます。


■次にb:id:okomechan

「野菜女ってオリーブ少女のことやん。オリーブ少女でええやん。」

という指摘ですが、僕はこの「オリーブ少女」はほぼ初耳でした。どっかでひっかかったことはあるかもしれませんが、けど「オリーブ少女」は思いがけないキーワードです。さっそく調べました、はてなキーワードですが。

絶滅の危機らしい。オリーブ少女は「Olive」を卒業後「暮しの手帖」「ku:nel」などに移行する。

ちょww絶滅の危機らしいじゃないですか!蒼井優は絶滅なんかしませんよっっ!
しかし、共感されてる方も多いのでブクマしながら色々調べてみました。googleamazonですが。
僕のブックマークをお気に入りなんかに入れたりしてる方にはなんだか申し訳ない、よくわからんエントリがどんどん上がってきて。

■僕にとって興味深いのは「オリーブ」という言葉そのものです。Wikipediaせんせいに聞いてみましょう。
ちなみに「オリーブ」でGoogle検索すると「女性専用キャッシングオリーブ」とか「人材派遣のオリーブ」とか<カップル喫茶「オリーブ21」>とかが引っかかって若干へこみますw

地中海地方が原産とされ、葉が小さくて硬く、比較的乾燥に強いことからスペインやイタリアなどの地中海地域で広く栽培されている。

■つまり「地中海地方」の温暖で感想した気候やスペイン、イタリアの明るく、陽気で気さくなイメージ、あるいは「オリーブオイル」などの美容や健康のイメージ「オリーブ」には漂うわけです。
それに対して昨今の、私が「野菜系女子」と呼んだ女性たちは、少し暗い、過去に何かあったように思わせる空気感や孤独さを感じるわけです。
spoon. (スプーン) 2007年 08月号 [雑誌]これはどちらかというと「北欧」や「東欧」、あるいは「外国としての日本」やスピリチュアルな雰囲気漂う「自然」のイメージです。実際、最近の「野菜系女子」が読んでそうな雑誌や本では「北欧」や「東欧」の雑貨やファッション、生活スタイルや本来原点となるはずの「日本(JAPAN)」や「東京(TOKYO)」などが紹介されてるように思います。


■これらはすべてAmazon関連商品を探って得られた情報なのであんまり鵜呑みにはできませんが妥当性はあると考えられます。

ku:nel (クウネル) 2007年 07月号 [雑誌]つまり「オリーブ少女」という言葉に限定されない多様性と豊かさが、「野菜系女子」には包含されてるように感じます。
そして「オリーブ少女」という「レッテル」は90年代の「渋谷系」カルチャーと深く結びついており、時代性が色濃く反映されている言葉でもあります。


■そして次の日記を見てて思い出したことですが、

また、これとは別に「お菓子系」というジャンルもあります。

お菓子系とは - はてなダイアリー

低年齢のセクシーグラビアを売り物にする雑誌に、「クリーム」や「ワッフル」「ラッキークレープ」などスイーツ系の名前のものが多かったため付けられたというこの名称。

2007-08-05

そうですよ!「お菓子系」なんて言葉があったんです。これは否認される方もいらっしゃるかもしれませんが、「オタク文化圏」に親和性の高いキーワードです。


以上の考察から日本「女子」カルチャーの三幅対として

を仮説として抽出することができるかと思われますが、上で述べたように「女子」はそんな簡単に一筋縄で語れるような存在ではありません。まだまだ調査が必要でしょう。


上でも引用されてるダリさんの言葉が印象的です。最後にここでも引用しましょう。

「美とは可食的なものであろう」

サルバドール・ダリ

■「野菜系」御礼追記

直接あの日記にこれまた優れたセンスでコメントを頂いたid:yoghurtさんへの御礼と、トラバで「文科系女子」への違和感を詳細に返信を頂いたid:kazukanさんへの返信を忘れていました、ありがとうございます。
id:yoghurtさんへの「女子ロック」についてのレスについては不十分な点があるのでいつかの宿題ということで。
id:kazukanさんのドラマ版「タイヨウのうた」への違和感はわかります、沢尻会会長様は見事な焼肉系オーラを放ってます。彼女が雨音薫を演じるのには違和感があるでしょう。
ガンガン太陽の光浴びても平気そうですからねw


以降、僕はこの「女子」論をアイドル論に接続する予定ですが、誰かいいアイディアやヒントがあれば教えて頂けるとありがたいです。

*1:すみませんラカンのキャラがよく判らなくなってしまいました