山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか
今日買った。
山口組概論
- 作者: 猪野健治
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 新書
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実はヤクザとか暴力団に興味がある。もちろん入りたいとかじゃなくてw
なんでそういう組織が生まれたのかとか、その組織の人たちがどういうことを考えて行動しているのかすごい気になる。政治、経済、芸能に至るまで少なからぬ影響を与えているのに、テレビとか新聞とかマスコミではおおっぴらには出てこない話なので。
著者の猪野さんは現在のヤクザ研究の第一人者とでもいえる人。
今までもヤクザについて色々書いてるけど今回の新書では山口組に焦点を絞って記述している。
ヤクザの2人に1人が山口組。ヤクザの総数が8万人ぐらいらしいから4万人近くは山口組ということになる。山口組を考えることはヤクザを考えることにほとんど重なる。
パラパラ読んでて面白かったのはp215〜紹介されてる阪神大震災での山口組の救援活動の迅速さ。
「山口組の救援活動は、総本部駐車場の一角にある井戸の水を近所に配ることから始まった。地震発生からまだ数時間しか経っていなかった。ちなみに当時の村山総理が地震発生二時間後にその報告を受けた頃には、見舞いの品を持参した直系組長たちが山口組総本部に到着していた。震災当日の午後には司忍弘道会会長(当時)もヘリコプターで総本部入りし、道路のどの進路が救援物資を運ぶのに早いかを視察している。」
その他、配給、炊き出し、自警団など様々な救援活動を行っている。
直接扱った物資だけで金額に換算して11億円以上に上るという(ちなみに08年の四川大地震に日本政府が送った義援金は約5億円、アメリカ5000万円)。
その活動は海外からも注目されてニューヨークタイムスにも紹介された。
猪野さんも書いてるように、
「歴史の混乱期に、やくざは突然捨て身の行動をとり、光芒を放つ瞬間がある」。
その瞬間に僕らは魅了されるのかもしれない。
*関連書
日本のヤクザについて簡単に歴史をさらっときたい人は宮崎学さんの次の新書がおすすめ。
- 作者: 宮崎学
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/01/01
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新書なのですぐ読める。詳しい歴史が知りたくなったら次の本へ。
- 作者: 宮崎学
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 単行本
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