よしながふみ×三浦しをん
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/10/04
- メディア: 単行本
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少女マンガに詳しくない自分には文脈が読めない部分が多くあるが面白い。次の三浦しをんとの対談のとことか。
三浦 私は一時期インテリみたいな男の人が、24年組を語るのがホントに腹立たしかったんですよ。しかも彼らはちゃんと読めてないんですよ!
よしなが ああ、男の人って、大島弓子をわかりたがってますよねっていう話をこの間しました(笑)
三浦 大島弓子さんのマンガは、男の人に誤解されて好かれている、とプンスカしてました。
よしなが 『綿の国星』の猫耳のチビ猫ちゃんを見て、「あれが少女の化身で」って言い方をするんだけど、違う、私たちが同化しているのはむしろ時夫で彼に共感してチビ猫を眺めているのであって、誰もチビ猫に共感していつまでも少女でいたい願望をこのにゃんこに託したりなんかしていません私たち!みたいな。
三浦 そうなんですよ!何一つわかっちゃいない!
…
P64「少女が大人になる瞬間」―『よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり』
このあとよしながさんが「でてくるのが少女だから、少女は少女に共感するだろうっていうのがまず間違っている」というのが続き、大島さんのマンガはもっとはるか高みからつきはなして描いている、非常に残酷な部分がある、という話が出てくる。
ここらへんてけっこう多くの男性マンガ論者(大塚英志とか宮台真司?も含まれるかな)への少女マンガの側からのけっこう痛烈な批判になっていると思う。
にゃんこのチビ猫少女に同化してたのは実は男性の方でした!みたいな。男と女ではマンガでもかなり読み方が違っているんだろうなぁ。
女性にはやおいとかBLが受け入れられるのだから当たり前っちゃあ当たり前だけど。やおいは男同士でなくてもいいって話とかもあって面白かった。女性のマンガの読み方は男の想像以上に自由なものなんだと思う。
三浦しをんさんの『シュミじゃないんだ』と合わせておすすめ。