自戒としての「おまえがいうな」

id:fuku33先生から「誹謗中傷」と言われました。

付記:このエントリーに対して、

id:massunnk 権力, 権威, 智, 大学, おまえがいうな

とブクマでタグを頂きましたが、わたくしがこれまで原典を誤解した不適切な誤引用はあるいはあるかも知れないが、それでも、自分を正当化するための「権威としての引用」をしている例はないと思います。全部、自分の考察を進めるための「資料としての引用」であって、そうあろうと務めてきた。「おまえがいうな」というなら、実例を示して頂きたいそうでなければこれは誹謗中傷ですな

http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20070730/1185768055

まず、このエントリを書き終わったらその問題の「タグ」は消し、id:fuku33先生が誹謗中傷に感じられてしまったことをお詫びします。
いつも頭に思いついた言葉を適当にタグにしているのでこのようなことが起こってしまいました。反省しております。僕自身はネガティブコメントに思われるコメントについてはできうる限り配慮してきたつもりですがこの「タグ」が「誹謗中傷」に取られかねないとすれば僕は以後、もう二度と使わないことにします。ちなみに僕はこの「タグ」は2回しか使ったことがありません。

ついでに言えば「これはひどい」というタグは5回です。
僕が本当にひどいと思ったときだけつけてます。

言い訳めいて聞こえるかもしれませんが、このことからも僕がまずネガティブコメントには配慮していたことをわかっていただきたい。


では、id:fuku33先生の質問に僕がこのタグをつけた理由を答えることで回答させていただきます
私がこの「おまえがいうな」というタグをつけてしまった理由は2つあります。


■まず1つ目です。それは自分への自戒の意味を込めたものだという理由です。つまりid:fuku先生のエントリを読んでて僕が「これはid:fuku先生は『おまえがいうな』ってことを言いたいんだな」と思い自分への自戒を込めてつけたものです。
しかし、これはid:fuku33先生が「誹謗中傷ですな」と感じかねなかったことから、そういう理由でこのタグを付けたことは全く正当ではありません。おそらくid:fuku33先生も納得されないでしょう。


■2つ目です。この「おまえがいうな」という言葉ははてなキーワードにもなっているので参照してみましょう。

自分のことを完全に棚に上げきった発言に対して入れるツッコミ
偉大なるおじさんを讃えて、1月23日は『おまえがいうなの日』となった。ザ・イトヤマタワーにて

おまえがいうなとは - はてなキーワード

2行目は誰が追加したのやら意味不明ですが、1行目は意味がわかると思います。僕の「おまえがいうな」の意味は1行目によってます。
つまり、僕はid:fuku33先生がプロフィールにも書かれているように「東京女子大横浜市立大講師(非常勤)」である時点で既に一定の権威を持たれているではないか、とそのように感じてしまったのだと思います。正直に告白すれば嫉妬です、僕は権力もカネも身体的能力もない、かろうじて脳みそはあるような気がするただの「学生」あるいは今は抑うつ状態で休学中なので「学生」ですらないので。
僕はそういうid:fuku33先生の立場から「権威としての知識」を小馬鹿にされるのはあまりに滑稽なことのように感じたのだと思います。


■簡単に以上2つが理由です。実例を示すとすれば「東京女子大横浜市立大講師(非常勤)」という肩書きです。それだけです。
不快に思われたこと、タグを消して深くお詫びいたします。
「この2つの理由は同時に成り立たない、矛盾だ」と思われるかもしれませんが、これは論理的には矛盾していません。ただ観察する立場(視座)と視点の違いによって起こっているものです。


補記をさせていただきます

もちろんid:fuku33先生がいつも仰るように「ロジック」「論理」の重要性はわかります。しかしそれだけでは僕は「権威としての知識」の濫用を小馬鹿にするには不十分な気がしています。まだ「気がする」だけなので確証はできませんが。少し反省の意を込めてこの場で考えます。


■例えば学校の「教師」や「先生」を考えてみます。彼らはなぜ「教師」や「先生」なのでしょう。
それは一定の正統な手続き(講義、試験による単位、あるいは資格試験)を経て、あるいは社会やコミュニティから一定の評価を経て(名誉教授など)、「教師」「先生」としての資格を得て、そのようにふるまうことができるようになります。そのことで彼らは「教師」「先生」として「生徒」「学生」に「教えたり指導することができる」という権力が与えられます。


■しかしそれらの手続きの「正統性」の根拠は何なのでしょうか?
僕は手続きによって生まれた「権威」がさらにその手続きの「正統性」の根拠になっていると考えています。
「科学」で例えるならば「科学」の「知識」の根拠は、その「知識」が一定の手続きの「実験」によって誰がやっても確認できるということにあります。「科学」はこのある意味単純な根拠づけによって「知識」とそして「科学」に権威を与えてきました。
ここら辺は僕がその「論理力」から敬服している「[数学屋のメガネ」さんが長年考えられているテーマでもあります。

このエントリに限りませんが、彼(id:khideaki)は自身の「論理力」のみでまさに徒手空拳でこの難問を考え続けられています。彼はほぼ匿名で書かれているので「権威」はないかもしれませんが、その「論理力」による思考からは僕は「権威」ではない何か「すごさ」を感じます。


■この「正統性」問題は最近の科学において問題になっている「論文捏造」あるいは「論文盗用」などの「パワハラ*1などにおいても問題になっているのでわかっていただけることだと思います。
僕は「学生」というカネを払って「大学」で学ばせてもらっている「弱い」立場から、これらの問題、とりわけ「論文盗用」「パワハラ」については憤りを感じています。
僕は特に「科学」を学んでいる人間なので、それらのことによって「科学」の「権威」が貶められているように感じるからです。「学生」が生み出した「知識」は「学生」の固有名によって発表されるのが正当だと考えます。指導教官だけの固有名で発表されるのは全く適当だと思いません。


■いくら「学生」に「論理力」があって、さらに「創造性」があったとしても、それが大学教授という「権威」を振るわれることによってそれらが回収されてしまう。これはあんまりなことです。
id:fuku33先生は「大学も大学院もいらねーじゃねーか」と仰いましたが、僕は大学の現状がこんなんなら「大学も大学院もいらねー」と思ってしまいます。これは僕の現状の大学という装置への怨念が込められた「私的感情」にもよるものです。


■インターネットによってある程度の論理力、思考力があればある程度の知識を得られる時代になりましたが、もちろんそのことで大学の「権威」がなくなるわけではありません。大学は今も一定の「権威」を保証する装置として機能し続けています。
しかし「教授」の「権威」はどうでしょうか。「教授」もピンからキリまでいるのではっきりとは申しませんが、ほとんどの「教授」は単に学生に「単位」を上げるだけの存在です。「権威」があるようには見えないが学生の及第か落第かを決める「権力」だけは持っています。いわば「教授」という存在の「権威」が「脱人格化」しているのですが、僕自身はそんな「権威」があるようには見えない(ぶちゃけていえば無能な)「教授」に及落を決められるぐらいならid:fuku33先生のような真に敬意を持てるような方に評価して欲しいと思います。媚びてるように思われるかもしれませんが本当です。


id:fuku33先生は覚えていないかもしれませんが、いつかの「あかね」でid:fuku33先生が、
はてな大学」
という言葉を仰ったのを僕はよく覚えています。
「なんだかよくわかんないけどすごそうな人が集まってなんか言い合ったり、ひとりごとを言ってたりする」
僕は「はてな」という場所にそういうイメージを持っていますが、これは僕がまさに「大学」という場所に求めていたものです。
とりあえず卒業のために単位を機械的に必死に集めるような作業を不毛に思います。
理想論ですが僕にとっては「勝手に勉強させろよ!わかんないときはおまえんちに行くから!」くらいで大学は十分です。


■うーん単に冗長になってしまって最初のことの「確証」はできそうにないのでここらへんにします。ここまで読んだ人はごめんなさい。


しかし最後にもう一回言わせて頂ければ、
「権威」というものに頼ることを単純に馬鹿にして否定することはできない。
と今はまだ思います。


それでは再度id:fuku33先生にお詫びしてこのエントリを閉じさせていただきます
申し訳ありませんでした。


再度、自戒としてid:Marco11様の次の言葉を引用させていただきます

■口開いたとたんにおまえがいうな

だし、棚上げなんですけどね。全ての人間がそう。

これも「論理的でない」同様、全員が全員に対してオマエモナーですよ。

だからあんまり人を咎めるときに使わないほうがいいよ。

頭が良い人から見ると、すげえ馬鹿っぽいよそれ。いやほんとに。

気をつけたほうがいいよみなさん。

http://marcon.g.hatena.ne.jp/Marco11/20070713/1184326943

■心がこじれてる人は文学書いたほうがいいよ

学問には向いてないし、評論にも向いてない。

批評や論文の体で、「己の人生への恨み節」を書いていることになぜ気が付かないのだろうか。

http://marcon.g.hatena.ne.jp/Marco11/20070730/1185788468

*1:論文の盗用の被害に会うのは「学生」であったりします、「教授」から盗まれるのです