高卒資格認定統一試験を導入せよ(あるいはするな) - 履修単位不足問題を考えるための2冊

自分の中でまた考えが変わってきてるのでタイトル書き加えました。改めて読み直してみると非常に稚拙なことを書いてますね…恥ずかしい限り。また改めてこの問題については考えをまとめてみようと思っています。(11/24)

 富山県立高岡南高校で発覚した履修単位不足問題で、新たに青森、岩手、山形、福島、石川、福井、愛媛、広島、栃木の各県の公私立高校でも必修科目を履修せず同様の単位不足になっていることが分かった。単位不足はこれで10県65校、生徒数は約1万2000人に上った。中には、履修を装った報告書を教育委員会に提出する「架空履修」もあった。各県教委や学校は単位不足の3年生が卒業できなくなるおそれもあるとして、3年生への補習授業を検討するなど対応に追われ、文部科学省も全国調査を行う。

「架空履修」なんかどこだってやってるだろ、それなりの進学校とかなら。
第一、高卒資格を得て高校卒業するよりもそれなりの大学に試験受けて入る方が難しいわけですよ。
大検*1とか受けたことある人は分かると思うけどあれもクソ簡単だからね。中学生とかでも受かると思うよ、人によっては。
一応さ、もう中学校の「義務教育」までで国民として最低限必要な知識は学んでるはずなんだからさ、高校とかはぶっちゃけ大学入るための予備校とほとんど同じでいいよ。
なんだか予備校的な教育がイクナイみたいに言う人がいるけど、そういう人は予備校に一回授業見に行くといい。
予備校ほど真摯に教育について考えている場所は僕は他に知りません。
予備校講師ほど真摯に教育とは何かを考えている人も僕は他に知りません。
生徒を「お客さん」と考え、きちんと教える力のある先生と快適な学習環境を用意してくれる。
「理想」と「現実」の違いをちゃんと教えてくれる。
学習能力の「格差」の現実を目に見える形でしっかり教えてくれる。
教育っていうのはそういう自分の能力に対する限界を知る場でもあるはずです*2
学校教師に割とありがちな「君たちには無限の可能性がある」なんて発言はネタ以外の何者でもない。
浪人の頃のようなあんな環境には二度と戻りたくないのも事実ですが、とにかく大学に入ってしまえばこっちのもんですよ。僕はもう自由に好き勝手やらせてもらってます。好き勝手しすぎて高校のときみたいにまた留年しそうだけどw


結局僕が言いたいのは「高卒資格認定統一試験」みたいなのみんな受けられるようにして、あとは高校はどこも勝手に授業できるようにすればいいじゃんってこと。それで万事解決。
教育に関して割と実現可能な未来のヴィジョンを示している本としては下の二冊があります↓

橋爪大三郎らがまとめて提出した、教育改革に関する報告書の全文が掲載されてる本。
高校入学は無試験にする、学生定員を廃止して大学入試をなくす、大学の学費を親が払うのは原則禁止にし奨学ローンを充実させよう!などなかなか熱いこと言ってます。
タイトルにもあるように「自己決定」と「自己責任」に基づいた教育を行うことを提案されてます。
先ほど僕の言った「大検」に当たるような高校の学力認定のための統一試験「高検」を取り入れ、これを高卒資格にかえられるようにしよう、など具体性のある実現可能な提言をされてる本です。
大澤真幸×橋爪大三郎が参加している鼎談が読めるのが人によっては萌えポイントかもしれません(笑)
学校が自由になる日

学校が自由になる日

内藤朝雄がかなり熱い教育本。宮台真司が霞んで見えてしまう(笑)
教育は誰でも平等に受けるべきだとし、教育関係にしか使えない通貨のようなものを導入しようとか面白いこと言ってます。
昨今も話題になっていますが、いじめが発生する学校の構造をいかに解消するか、という点にも主に焦点が当てられています。


上の二冊を読めばこれからの教育がどうあった方がいいのか考える参考になると思います。ぜひどうぞ。

*1:大学入学資格検定」今は名前変わったらしいけど→http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/daigaku/daiken/index.htm

*2:精神分析だと「去勢」と言いますね