そういえば

いつの日か回した「学問バトン」がわりと多くの方に回っているようで面白く読ませていただいてます。
学生を中心に回っているようですね。特にはてなダイアリー圏の学生たちは「学問」を真剣に考えている印象があります。これには感動いたしました!日本もまだまだ捨てたもんじゃないねっ!こんな有望な若き学徒にあふれてるなんて!

僕はテンションだけで書いたもんで、なんだか真剣に書かれた方に申し訳ないので反応も含め、明日かいつの日かささやかながら追記をさせていただきます。かしこ。

脳機能科学者ドクター苫米地英人の乱入に380円っ!

突然またわけのわからないことを言ってるぞこいつ!とお思いでしょう。
もう皆さんすっかりお忘れになられているかもしれないあの往復書簡の話ですよ。

僕は最近はてなスターで見たことない面白いブログが見つかるのが面白くてアンテナを見てなかったのでスルーしちゃってましたが、
なにやら動きがあったようでっせ。

ご存じの方もおられるかもしれませんが、茂木健一郎さんと往復書簡をやっています。

 いろいろ興味深い反響もいただいています。ありがたいことです。

 先日は、なんと光栄にも菊地成孔さんからメッセージが。スパンクハッピーDCPRGも持ってます。

 しかし、これはひどいなあ(笑)。いや、いろんな意味で。無芸大食って…

菊地さんからのお手紙 - pentaxx備忘録


喜びのあまり思わず自身のサブカル大好きっぷりを披瀝せずにはいられない環せんせいに萌えてしまいますがwあの音楽界のよくわからない変人*1菊地成孔」様から反応があったようです。

茂木先生の次の対談集に、対談相手の一人として登場している身としまして余計なコメントさせて頂きますが、先生もう、勝ちは決まってるんすから、(小声で)コレやっちゃダメです。引きこもりがご専門でしょう。茂木先生がコレで引きこもっちゃったらどうするおつもりですか(笑)。
……
あーんなおっかない手紙書いて、ぎゅうぎゅう追いつめて、万が一潰しちゃったとしても、「よくやった精神分析。偉いぞ」なんて誰も思っちゃくれないですよ。
……
精神分析が、人の急所を遠慮会釈無く狙っては相手を平然とぶっ壊しちゃう、ローランド・ボックみたいな奴だとでも思われたらどうすんですか、コッチは宗旨替えしないといけない。人気商売ですからね。まさか「読んでいる人々はそんなバカではない」等とおっしゃらないでしょうなあ。民衆というのはよろしいですか先生、クオリア信じる人々の事ですぞ(笑)。ワタシの東大の生徒にも居ましたよ。ちょこざいなバカが寄り目んなって近づいて来て「あー菊地先生。ブルースとクオリアには、あーどんな関係があると思いますか?」って言いやがったんで、一言「ノー(脳)!」って言ってやりましたとも(笑)。(文字色、大きさなどは引用者)

脳ミュージック、脳ライフ


ユリイカ2006年4月号 特集=菊地成孔 正装の、あるいは裸の「ノー(脳)!」wwこれ今度おれも使うわw
この人の文章ってユリイカとかで見たりしたことあるけどホント文体が独特だね。ふざけたようでいてそれでいて核心をついてくるから読んでいて気持ちよくなるか気持ちわるくなるかどっちかになっちゃうかもね。
けどみんな茂木先生のことが大好きなんだね。茂木先生の人気に嫉妬w
んでもってこれに対する斎藤環せんせいのお返事が上のでその続きが以下。

 せっかくなのでお返事を書きたいけれど、茂木さんからの返信が届かない現状では、本編が始まらないのに番外編はできそうにありません。あしからずご了承下さい。でも、これでまた返信が遅れそうな予感が。それと恐縮ですが、あの”検閲”っぽい楽屋裏話、ここでバラすのはちとアンフェアかなと。いや面白いんですけど。

 なにも僕は、ぼくらの最高のクオリアをこの手で終わらせたくなったわけではないのです。王様は裸だと叫びたいわけでもありません。ただ、言うべきことを言うのに、僕の代わりがいないならしかたがない。それは、なにも悪いことじゃない。まあ、大体そういうような真摯なスタンスであります。

菊地さんからのお手紙 - pentaxx備忘録


真摯なスタンスね。まぁ環ウォッチャーの1人としてはこういうこと環せんせいは似たようなことはよくやられていらっしゃるんですよね。
文学の徴候有名どころだと「ゲーム脳」批判なんかもそうだし、自著『文学の徴候』への批判に対してすごい挑発的でユーモア*2あふれる文章で反批判してたりね、俺は読んだよ、どっかの文芸誌の、あれもウケたw。
まぁ「さすが環!そこにシビれる!」って感じなんだけどね。そうなんだよ日本には環せんせいしかこういうことちゃんと言える人がいないから「しょうがない」ってかんじなんだよね。


環せんせいがあの冗長な往復書簡の一通目で言ってることは簡単に重要ポイントを引用すれば、

 ところで、私の感ずる疑問の第一は、まさにこの「クオリア」という概念にきわまります。
 「クオリア」を肯定することは、「この私」のゆるぎなさを肯定することです。

…「欠如した主体」をすべての出発点とする思想は、
クオリアという否定しようのない実感についても、いったんは幻想として受けとめるからです
味気ない身振りではありますが、私はこれを倫理的要請と考えています。ならば、倫理とはなにか?

 私にとっての倫理とは、まずなによりも、「美」や「実感」に最大の価値を見いださないための、思考の拘束具です。

クオリアについて考えるとき、よくカルトによるマインドコントロールの例を私は思い浮かべます。人がカルトにはまる最初のきっかけは、カルト体験に「真理のクオリア」をどうしようもなく感じてしまうからではないかマインドコントロールの手法のひとつの典型は、懐疑的な自意識を抑圧することです(「アタマを取る」なんて恐ろしい表現もありましたっけ)。その結果、どういうことが起こるか。
……
 ここで興味深いのは、特講を経験した人びとの感想です。かなりの数の人が特講を終えたあとで、「風景が生き生きと見えた」「新緑が眼に染みた」などという感想を口にする。茂木さん的な表現でいえば、クオリアへの感度が向上しているのです。
……
興味深いのは精神療法のひとつとして知られる森田療法でも、同様の現象が起こることです。これはある意味では当然で、森田療法は自意識の悪循環、すなわち精神交互作用の暴走を解除するために、やはり懐疑的な自意識を抑圧する技法です。これをカルトと呼んではさすがにまずいでしょうけれど、ここにひとつの共通点がある。それは、
懐疑を捨てれば捨てるほど、クオリアへの感受性が高まる、という臨床的事実です

 失礼ながら、茂木さんの言説がしばしば危ういものに思えてしまうのは、茂木さん自身の意識はどうあれ、世間は茂木さんに「新しい価値を説く人」を見ているように思われるからです。すくなくとも、茂木さんの読者の大多数は、茂木さんがその華麗な身振りで、脳と価値観を結びつけてくれることを熱心に期待しているはずです。あるいは茂木さんは、まったくそのような自覚をお持ちではないのでしょうか。

…私も含め、ある世代以下の言論人のほとんどは、ベタな価値ではなくメタ価値観を呈示しようとします。メタ価値、すなわち高い価値判断を可能にする条件のほうを問おうとするのです。私のいう倫理とは、そうしたメタ価値観のひとつです。


簡単に一言でまとめれば
茂木先生の言う「クオリア」ってベタなカルトの手法と紙一重じゃね?


ってことを環せんせいは言ってるんだけど、あの饒舌な茂木先生もこれには閉口してしまったようですね。環せんせいもちょっとぼこぼこにしすぎちゃった感があるけど、いつもメディアでちやほやされてるようだから、茂木先生もたまにはいいんじゃないですか、こういうのも。
けどさ、環せんせいは医者としての立場からカルト否定してるんだろうけど、俺は別にカルトいいんじゃね?とか最近思うんだよね。幸せなんでしょ、カルト、危ないこともいっぱいだけどw
だから茂木先生は上祐史浩のように「新興宗教クオリア教」でも作って教祖にでもなればいいと思うよ!(投げやり)


ちなみにタイトルの「ドクター苫米地に380円」ってのは菊地のさらなる返信の話。

 「面白く、酷く、そして少々アンフェアである」との事ですが、さーすが先生。仰る通りであります。まさにその三つを心がけて書きました(笑・いつもじゃないすよ。今回に限っては。つう話です。毎日毎日おもしろく酷くアンフェアだったら、死んじまいますからね)。クオリア相手にアンフェアで上等、おつりがニューロン大爆発ですよ。

相変わらず酷いw

 とはいえ先生「茂木先生の返事が来てから菊地に」とお考えに成っている様ですが、そんな時は永遠に来ないと思(笑)まあそのえー(笑)。スパンクスDCPRGも既に活動終えてまして(笑)、もちっと新しいのもあるんで、よろしければお送りさせて頂きますが、どっちにしろ頑張って下さい。

 それよりも観客席の皆さん。ワタシは論戦ちゅうのはやるのも観るのも実に苦手でして、あんなモン黙って観てる位だったら、タイ人を見習って博打の一つも打った方が良い。ってかもう張ってますからね(「年内は返事無し」に5万張ってます・笑・どうですコレなかなかスリリングでしょ。脂汗かいちゃう)。皆さん小額だったら賭博は捕まんないんですよ。何か最近はミクシとかはてなとか、賭場が簡単に立てられそうなご時世じゃないすか。ここは張らなきゃつまんないでしょう。「業を煮やした斉藤先生が、とうとう茂木先生の精神分析を始める」に1万。とかね。「養老先生乱入に250円」とか(笑)。そっちこっちでマメに金動かしましょうよ〜。金が一部でだけしきゃ動かないんでクオリアなんてモンが流行っちゃうんです。

斉藤環先生へ


頭の回転が50倍速くなる脳の作り方~「クリティカルエイジ」を克服する加速勉強法~そこで「脳機能科学者ドクター苫米地英人乱入に380円っ!」ですよwいつになるかは知らないけど。


友人の影響で読み進めてる途中ですが、苫米地はオウム事件の経験からカルトや洗脳、マインドコントロールに詳しい上、茂木より脳については「わかってる」し、しかもその上「わかってやっている」印象を受ける。こういう人間は「ベタ」な誰かさんより厄介なんだよ。

 人間のもっているリアリティーというのは、もろいんですよ。それをほんのちょっと狂わされると、ヤバイことになってしまう。それをどう守り、防ぐか。心のファイアーウォールを脳に作ることが大切になる。そもそも洗脳というのは、第三者の利益のために行われている行為なんですね。一方で、自分のために行われている行為は、教育と呼ばれている。実はやっていることは同じなんです。

 では、教育は正しいのか。実際、人間の自我は親による洗脳と、小学校の先生による洗脳が大きな影響を及ぼしている。実はとんでもない洗脳受けている場合もあるわけです。これをはがして、自分で判断できるようにしていくことも重要になる。実際、こういう刺激をすればこうなる、という理論ができていますからね。(赤字引用者)

これを読んだときこいつは「わかってる」と感じた。しかも赤字の部分、つまりこいつは茂木の言うような「クオリア」なんてのは端から信じていない。
最近、彼は流行に乗るつもりなのか「スピリチュアリズム」に関する本も出した、下がそれだがこの装丁がまたこれでもかというほど露骨で、にくらしい。

スピリチュアリズム

スピリチュアリズム

昨日、帰りに寄った新宿の紀伊国屋書店でも置いてあった、見事なまでのにくらしいインパクト。

(追記)目次を見る限りではどっかのリカちゃん人形*3の書いた本よりも中身はありそう(以上)
茂木ブームの次はこいつなんじゃないかと踏んでいる。
というわけでid:leleleさん、

一人編集業は大変でしょうが茂木にはさっさと見切りをつけてご検討なされてはいかがでしょうか。
ラカン精神分析斎藤環×脳機能科学者ドクター苫米地英人
面白いかと思いますが。


ちなみに380円てのは昨日買った『すごい水』アルカリイオン高波動水190円がマズすぎで結局廃棄処分したので元を2倍にして取り返したいからw

*1:ぶっちゃけよく知らん!id:kingworld君に教えてもらったくらいで

*2:いやみ?w

*3:香山リカ